弥生(三月)◆【東京染め紅型・蝶の小紋】 | 着物レンタルあき

昭和43年制作 安部麗子(あき渋谷店店長)所蔵

今年は何年ぶりかで豪雪や寒波に見舞われました。しかしこのところは日脚も伸びて季節は確実に春の訪れを告げてくれています。

また3月は啓蟄でもあります。
野菜についた虫が蝶に変わり始めるのもこの時期です。
季節の移ろいに合わせて、今月は東京染紅型・蝶の小紋をご紹介いたします。

この着物は、昭和44年3月、ホテルオークラで行われたお茶会で、同じ着物をお召しになった知人と遭遇してしまった思い出があります。
同じ型を使用した型染めではありますが、蝶は手差しですので、微妙に違い全く同じではありませでしたが、今までの着物人生で1度きりの出来事でした。

■黒い縮緬地に蝶が軽やかに舞っている小紋です。
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■蝶は職人の手により、一筆一筆手差しされています。
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昭和40年代くらいまでは、無名の職人による伝統的な染織の技術が残っていた最後の時代です。その後、着物は着物作家による作品となり、本物の着物が高価になって芸術品化の方向へと変化して行きます。一方で大量生産の着物が多くなり、着物人口の裾野は広がりました。

「昭和の着物語り」では、昔の職人が自分の仕事に誇りを持ち、手間ひまを惜しまず、妥協を許さない仕事をご紹介することにより、伝統文化を引き継ぐ若い世代に少しでも参考になれば、との思いで連載させて頂きました。

■先月、新宿区落合、中井にて東京染のイベントがありました。私は東京染めに携わる全ての皆様に敬意を表して、この紅型小紋を着用して見学させて頂きました。

イベント「染の小道」はこちらをご覧下さい。

なお当日の様子は、2月19日「スタッフブログ」でご報告しておりますので、お目通し頂ければ幸いです。

■4月は、牡丹の訪問着をご紹介いたします。

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