月の光もさえ渡り、頬にそよぐ風も心地よく、ようやく秋めいて参りました。
日本の伝統文化にとって季節感は重要な要素です。
四季折々、自然と共生した日々の暮らしは、どれほど日本人に豊かな感性を与えた事かと思います。
栗谷家所蔵【今よみがえる90年前の色彩】から安部所蔵の着物を月々の時候に合わせて、平成10年6月から皆様にご紹介して参りましたが今月で最終回とさせて頂きます。
満4年と3ヶ月の間、お読みくださった皆様に感謝申し上げます。
今月ご紹介するのは、「地紋起しの小紋」です。
青磁色の生地に水草が織り出され、模様の部分に白く手差しを加えてあります。
この着物は友人の着物選びに「プレタ着物ショップおりいぶ」に同行して、真っ先に目について瞬間的に自分が先に購入を決めた単衣の小紋です。
帯2本も「おりいぶ」にて購入いたしました
■ 9月上旬のコーディネートです。
同系色撫子柄の涼やかな紗名古屋帯を合わせています。
この組み合わせで、6月の中旬以降も着用しています。
■ 地紋起しの状態が分かりますでしょうか。
■ バストアバップと背面の帯姿です。
刺繍の撫子が涼やかな趣です。
■ 次は9月後半のコーディネートです。
黒地の塩瀬に手描きで雌雄の鷺が舞っている開き名古屋帯です。
■ バストアップです。
帯締めは個性的な配色の矢絣の手組です。
■ お太鼓結びの帯姿です。
■ 一対の鷺のバランスや、鋭いくちばしなど細やかに描かれた芸術的な帯です。
連載終了にあたり
この連載を終了するにあたり、長い間お読み下さった皆様に深く感謝申し上げます。
そして、撮影をして下さった小峰さん、着つけ担当の渋谷本店のスタッフたち、本当に長い間ありがとうございました。
この連載は、一応2014年9月で終了いたします。
着物を通して、ささやかに日本文化の一端をお伝えできたのであれば、うれしい限りでございます。
本当にありがとうございました。
着物レンタルあき渋谷本店 店長 安部 麗子
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