はじめに
栗谷家伝来の大正から昭和へかけての着物や帯を順次ご紹介して参ります。
詳細は折に触れてお伝えいたしますが、栗谷家は明治から昭和にかけて、東京神田で銅などの金属を扱う商家として栄えました。
今から十数年以上前に、友人の栗谷さんからお姑様、絹様の遺品を頂戴いたしました。
一部は文化学園服飾博物館に寄贈し、歴史的資料として永久保存されております。
その他の着物は、袖丈を詰めたりして大切に着用させて頂いておりましたが、ある時その着物をお召しになった、絹様の写真が見つかりました。
貴重な文化遺産を散逸させてはならないとの思いから、頂いた着物の一部を栗谷家に戻しました。
この度、栗谷家のご厚意により、これらの着物や帯を、画像を中心に連載いたします。どうぞお楽しみに。
【絽の丸帯】
上の画像は大正時代から昭和にかけて絹様が愛用された絽の丸帯です。(単衣の色無地は現代のものです)
絽の生地に刺繍や染めで、かきつばた、なでしこ等が描かれ、この季節にふさわしい丸帯です。
染めはもとより華麗な日本刺繍は、全て手仕事の職人の技です。
丸帯は本太鼓に結びます。
この帯を頂いた翌年6月、日枝神社の濃茶席で、単衣の色無地に合わせて、着用しました。
【絽縮緬の色留袖】
絹様着用、下の画像の色留袖は、文化学園服飾博物館「夏のきもの」にて、皇女和宮の衣裳とともに展示されました。
その後この着物は海を渡り、パリの美術館でも公開されました。
絵葉書にもなった着物のコメントは以下のように記されていました。
絽縮緬地 秋草 水車模様 友禅染 刺繍 大正時代
萩、撫子、桔梗などの秋草と、柄杓をつけた水車、流水を組み合わせ
やわらかい友禅染の色調で表現している。
これもまた、夏の着物として水に因んだ文様が選ばれている。
栗谷恵子氏寄贈
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